福井産の蟹について
漁期が11月6日から、雄は3月20日まで、雌は1月10日までと定められているため、北陸の食文化における冬の風物詩となっている。ズワイガニの名称は足が細くまっすぐなことから木の枝を意味する楚(すわえ)に由来した「楚蟹(すわえがに)」が転じたものと言われるが、水揚げされる地方によってその呼称は違う。福井県産のものは「越前ガニ」と呼ばれ、全国的にもその名が知られている。石川県産のものは平成18年から「加能ガニ」というブランド名を打ち出している。その他、山陰地方で「松葉ガニ」、京都の「間人ガニ」と呼ばれているものも同じズワイガニである。また、これらの呼称はすべて雄のズワイガニのことを指し、雌は雄と比較して小さいためコウバコガニ・セイコガニなど別の名で呼ばれるのが一般的である。
雌も味がよく人気が高い。成長過程で脱皮を繰り返すため、一般的には多く脱皮をしたものが身の詰まったおいしいものとされている。また、甲羅の黒い斑点が身入り具合の目安にされる。斑点は甲羅を産卵場所とするカニビルの卵嚢で、この付着数が多いほど脱皮後の期間が長く、身入りがいいと考えられる。身を茹でて食べるのが一般的だが、焼き蟹や新鮮なものに限って生食もされる。また身以外には、中腸腺(かにみそ)や雌の卵巣(内子・外子)も珍味として広く親しまれている。
ズワイガニの旬の時期
3月 | △ |
4月 | × |
5月 | × |
6月 | × |
7月 | × |
8月 | × |
9月 | × |
10月 | × |
11月 | △ |
12月 | ○ |
1月 | ○ |
2月 | ○ |
11月中旬~3月中旬が旬の時期です。
※カレンダーは、北陸で一般的によく食べられる時期の目安です。その年によって食べられる時期が変わる場合があります。
よくある質問
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福井県に水揚げされたズワイガニに対して、親しみを込めて呼ぶ愛称です。
また身以外には、中腸腺(かにみそ)や雌の卵巣(内子・外子)も珍味として広く親しまれております。 -
越前ガニは水深200m~400mの海底に生息していますが、ベニズワイガニは400mよりも深いところに生息する別の種です。
大きさに違いはありませんが、ゆでた蟹の色は越前ガニが黄色を帯びた淡い赤色であるのに対し、ベニズワイガニはきれいな紅色になります。 -
雌雄・大きさ・脱皮後の期間によって商品銘柄が異なります。福井県内で一般的に使われている名称は、ズワイ(身の入りが良い上等の雄ガニ)・水ガニ(脱皮して半年以内で甲羅が軟らかく、身の入りが少なく水っぽい雄ガニ)・セイコ、またはセイコガニ(お腹に抱いている卵の発生がふ化間近にまで進み、卵巣が成熟している雌ガニ)です。
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ズワイガニを目にするようになったのは、水深200m前後の深い海で漁ができるようになった安土桃山時代、1500年代とみられます。
1600年代の全国にさきがけ、若狭湾沖の深い海でもカレイ類を目的に操業されるようになり、その中にズワイガニも混ざっていました。 -
ズワイガニは冷水性の生物であり、北の海では浅いところにも生息していますが、南の海は暖かいため、深いところにある冷たい水にしか生息できません。
したがって、日本海のような南の海では水深200mよりも深いところでしか生きていけません。福井県で採集された最も深い記録は650mです。